夜尿症は「５歳以降で月に１回以上夜尿があり、それが３か月以上継続している状 態」と定義されます。 夜尿症は決してめずらしいものではありません。症状が夜尿のみである単一症候性夜 尿では５歳：15％、７歳：10％、10 歳：5％、12-14 歳：2～3％、15 歳以上：1～2％ とされています。これは世界各国でその頻度に大きな差はないと考えられています。

夜尿症自体は自然に治癒することも少なくありません。 が、生活指導をはじめとする治療介入によって、自然経過に比べて治癒率を 2-3 倍に 高め、治癒までに要する時間も短縮できるという報告があります。

小学校に上がった段階で連日の夜尿を認める場合や、昼間の尿失禁（おもらし）を伴 う夜尿症や便失禁を伴っている尿失禁の場合には一度は医療機関で相談する方がよい でしょう。 初回の治療開始が１０歳以上の場合と１０歳未満の場合とでは、１０歳以上の方がよ り治癒までに要する期間が長かったという報告もあります。

夜尿外来にいらしていただくと、まずお話を詳しくお伺いし、診察、尿検査をし、夜 尿の記録をつけていただきます。必要に応じて血液検査を行うこともありますが全員 ではありません。それらの結果を踏まえて生活へのアドバイスをしたり、行動療法や アラーム療法、薬物療法などで治療を行います。