音声・嚥下外来|耳鼻咽喉科いわはしクリニック

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音声・嚥下外来

Medical

音声・嚥下外来|耳鼻咽喉科いわはしクリニック

音声障害とは

    音声障害とは、声がうまく出せなくなることをいいます。歌手や教員、保育士など声を使う仕事の人、カラオケやコーラスなど声を使う趣味がある人など、日常的に声をよく使う人にみられることが多いです。声はコミュニケーション手段のひとつのため、声がうまく出せなくなると自分の意思が伝えられず、大変なストレスを抱えてしまいます。

     音声障害の症状

    主に「声が出にくい」「声が途切れる」「声が枯れる」「声が詰まる」などです。また年齢や性別を考えたときに、明らかに声が高い・低いといった症状がみられることもあります。これらの症状は一時的なものではなく、継続して、または繰り返し何度も起こります。

    なんとなく声に違和感を覚えながら声を使い続けると、さらに悪化して手術が必要になることもありますので、気になることがあれば一度受診することをおすすめします。

    音声障害の原因

    大きく3つにわけられます。

    機能性音声障害

    声帯や喉などの発声器官に問題がないのにも関わらず、声の障害が起こります。痙攣性発声障害(声が震える)、変声障害(年齢や性別を考えたときに明らかに声が高い・低い)などがあります。ストレスによって起こることもあります。

    器質性音声障害

    声帯や喉などの発声器官に問題があるため声の障害が起こります。声帯ポリープ、声帯結節、声帯麻痺、癌などがあります。声の出しすぎやタバコ、お酒、逆流性食道炎などが原因で声帯や喉が炎症を起こして起こることがあります。

    また、加齢や人と話す機会の減少によって起こる声帯萎縮が原因となることもあります。

    心因性発声障害

    声帯や喉などの発声器官に問題がないのにも関わらず、声がかすれたりほとんど出なくなったりします。心因性失声などがあります。強いショックや悲しみなどのストレスが原因で起こります。

     音声障害の診断

    喉頭内視鏡、ストロボスコピーなどを用いて声帯や喉の状態を直接観察します。観察下で声を出してもらうことで、発声時の声帯の動きを評価することができます。また、医師や言語聴覚士が実際に声質や声の強さ、声の持続時間などの評価や、音響分析などの専用の機器を用いた評価を行います。

    いずれも外来診療で行える評価です。

    音声障害の治療

    大きく3つの方法があります。

    薬物療法

    声帯や喉の炎症をおさえる薬を処方します。

    リハビリテーション

    音声訓練として発声器官のリラクゼーションや筋力トレーニング、発声方法などを指導します。また、不適切な発声行動や生活習慣を知り、声の衛生管理を行うことも大切です。

    外科的治療

    全身麻酔や局所麻酔下で手術を行い、音声障害の原因を取り除きます。「喉頭微細手術」「喉頭枠組み手術」「喉頭内視鏡手術」などがあります。術後は再発防止を目的に、リハビリテーションを行う場合があります。

    摂食嚥下障害とは

    摂食嚥下(せっしょくえんげ)とは、食事の時にどんな食べ物であるかを認識し、口から入れてよく噛み、飲み込んで胃まで送り込むまでの一連の動作のことをいいます。このうち、どれか1つでも難しくなることを『嚥下障害』あるいは『摂食嚥下障害』といいます。

    摂食嚥下障害があると食事を取りづらくなってしまうため、「窒息」「低栄養」「脱水」を引き起こしてしまう可能性があるほか、食べ物・飲み物が気道に入ることで起こる「誤嚥性肺炎」の原因にもなり得ます。

    また、食べる楽しみを失うことによるQOLの低下も問題として考えられます。

    QOLQuality Of Life:クオリティオブライフ)=生活の質

     摂食嚥下障害が疑われる症状

    以下のような症状がみられることがあります。

    • 食べ物が口からこぼれる
    • 食べ物をうまく噛めない
    • 食べ物や唾液を飲み込んだ際にむせる
    • 飲み込んだ後に、痰が絡んだようなガラガラした声になる
    • 飲み込んだ後に、口やのどに食べ物が残っている気がする
    • 微熱が続く

    摂食嚥下障害の主な症状としては「むせ」が挙げられることが多く、“むせ=誤嚥している”という印象がありますが、むせない誤嚥(不顕性誤嚥)もあるので注意が必要です。

    ※誤嚥:水分や食べ物が気管に入ること。誤嚥性肺炎や窒息の原因になる。

     摂食嚥下障害の原因

    主に以下のような原因があります。

    • 脳血管疾患(脳出血・脳梗塞など)
    • 神経変性疾患(パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症など)
    • 口腔内環境の変化(口腔癌・咽頭癌などの腫瘍、虫歯による歯の減少など)
    • 認知症
    • 加齢(嚥下に必要な筋肉量・噛む力・唾液の減少、嚥下反射の遅れなど)

     摂食嚥下障害の診断

    比較的簡単に調べられるスクリーニング検査と、さらに詳細で正確に調べる検査があります。

    反復唾液嚥下テスト

    30秒間に何回唾液を飲み込めるかを数えます。2回以下の場合は摂食嚥下障害が疑われます。

    改定水飲みテスト

    3l程度の冷水を口腔内にいれて飲み込みます。飲み込み後にむせこみの有無、呼吸状態の変化、声の変化を観察します。

    フードテスト

    ティースプーン1杯分(約3-4g)のプリンやゼリー、お粥などの食べ物を飲み込みます。むせの有無、呼吸状態の変化、口腔内に食べ物が残っていないかを観察します。

    嚥下内視鏡検査(VEVideo Endoscopy

    鼻の穴から細い内視鏡を入れ、その状態で水分や食べ物を飲み込み、喉の様子を観察します。水分や食べ物が気管に入っていないか、喉に残っていないかを評価することができます。嚥下造影検査と異なり被爆の心配がなく、機械自体を動かせばどこでも検査を行うことができます。当院でも摂食嚥下障害の疑いがある方、飲み込みに関して気になることがある方に嚥下内視鏡検査を実施しています。

    嚥下造影検査(VFVideo Fluorography

    X線による透視下で造影剤を入れた検査食を飲み込んでもらい、口から食道まで食べ物が通過する様子を観察します。実際に嚥下した時の状態を見ることができるため、喉に残っていないか、誤嚥していないかを正確に確認することができます。また、安全に食べられる食事形態(大きさや柔らかさ)や安全な食事時の姿勢についても評価することができます。

    機械が大きく被爆のリスクがあるため、実施できる場所は限られます。

     摂食嚥下障害の治療

    誤嚥性肺炎のリスクを下げることや、窒息・低栄養・脱水の予防のためにも治療を行うことは大切です。治療法にはいくつか種類があります。

    衛生指導

    食べ物・飲み物が気道に入ってしまった際、口の中に細菌が一緒に入りこみ誤嚥性肺炎を引き起こします。歯磨きやうがいを定期的に行い、清潔に保つことが大切です。

    リハビリテーション

    ①間接的嚥下訓練

    食べ物を使わずに行う基礎訓練です。マッサージや体操のほか、氷・ストローなどを使用し摂食嚥下に関わる器官に働きかけます。

    ②直接的嚥下訓練

    食べ物を使って行う訓練です。食事の際の姿勢や食事形態、1口で取り込む量を調整しながら、何度も評価を行い安全に食べられる形を考えていきます。最初は飲み込みやすい食べ物から始め、少しずつ飲み込みが難しい食べ物へ訓練を進めていきます。

    外科的治療

    誤嚥を軽減・消失させ経口摂取を目的とする「嚥下機能改善手術」と、誤嚥性肺炎を予防することを目的とする「誤嚥防止手術」があります。術後にはリハビリテーションを行う場合があります。

    言語聴覚士によるリハビリをご希望の方へ

    まずは当院を受診し、診察の際に医師にご相談ください。

    医師が必要と判断した場合は、リハビリの予約をお取りいただけます。

    【当院のリハビリについて】

    ・保険診療で行っています。保険証、医療証をご持参ください。

    ・リハビリは診察時間内に行っています。(1回20~60分)

    ・平日午後と土曜日はリハビリを希望される方が特に多いため、予約をお取りできない場合がございます。