のどの病気
Medical
のどの病気
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風邪は鼻や喉など上気道の粘膜からウイルスが感染して生じる急性炎症の総称です。
症状として、のどの痛み、咳、痰、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、発熱などの症状があります。ライノウイルス、アデノウイルス、RSウイルスなどによって起こる風邪は「普通感冒」と呼ばれ、3日程度で自然に治癒する場合が多いです。しかし、風邪を発端として副鼻腔炎や中耳炎になってしまう場合があるので早めに受診することをお勧めします。
また、11月から3月頃に生じるかぜ症状の場合はインフルエンザである可能性もありますので、38~39度の高熱が見られた場合はすぐに来院してください。
口蓋扁桃が炎症で腫れることによって急なのどの痛みや高熱、寒気、頭痛、全身倦怠感などの症状があらわれます。のどの腫れが強いと飲み込みにくくなり、ひどい場合は食事が食べられなくなります。扁桃のまわりに膿がたまってしまった場合は扁桃周囲膿瘍と診断され、その治療には切開排膿が必要となることがあります。
また、ウイルス性の扁桃炎では首のリンパ節が腫れて、肝臓の一時的な障害を起こす事があります。扁桃が年4回以上腫れて38度以上の熱発を伴うような慢性的な感染状態になってしまうと手術適応となります。
口蓋扁桃を摘出することで慢性扁桃炎を治療することができるため、まずは専門医の受診をお勧めします。
のどは鼻や口を通して空気が直接通るところなので、感染しやすい部位です。気温の変化や寝不足、疲れなどで抵抗力が落ちているところに、細菌やウイルスに感染してしまうとのどが腫れて咽頭炎や喉頭炎になってしまいます。
症状としては、咳やのどの違和感、痛みが出現し、悪化すると飲みこむ時に強い痛みがでてきます。全身倦怠感や発熱がみられることもあります。のどの腫れが強くなると呼吸が苦しくなることもあるので注意が必要です。
治療は原因および症状に合わせて、声や全身を安静にして薬の内服や点滴、局所投与(吸入)などが行われます。まれに喉頭結核などの一般的治療では改善しない疾患もあります。
のどの奥にある喉頭蓋(こうとうがい)という部分に炎症が起きた状態です。喉頭蓋が急激に腫れると、ひどい場合には窒息に至る危険性があります。通常は細菌感染が原因であり、症状として激しいのどの痛みや、飲み込む時の痛みなどが認められます。
さらに進行すると喘鳴(ゼイゼイする)が現れて呼吸困難をきたし、窒息する可能性のある危険な病態なので気道を確保することが重要です。
呼吸困難が無い場合は、細菌感染に対して抗生剤、腫れを改善させるためにステロイド薬、のどの奥の空間を広げるために気管支拡張薬を投与して、呼吸困難が生じないかを厳重に観察しながら治療します。
声帯ポリープは声帯粘膜にできる局所的な血腫や浮腫のことで、ちまめのようなものです。過度の発声(カラオケ、大声、演説など)により声帯粘膜の血管が破れ、内出血することで形成されます。
通常は一側性にポリープが生じます。ポリープができると声帯の正常な振動が妨げられるため、声がかれてしまいます。風邪などによる一時的な声がれと異なり、ポリープがあるかぎり声枯れの症状は続きます。
鑑別が必要な疾患として、喉頭がんやその他の悪性腫瘍による声がれ、声帯麻痺による声がれがあります。声の調子がおかしくなったときは、まず診断を確定するために受診する必要があります。保存的な治療をおこなっても長期に症状が改善しない場合は手術による治療を検討します。
声帯に生じる炎症性の硬い隆起であり、声帯にできるタコのようなものです。声帯の前方3分の1に発生することが多く、通常は左右対称に発生します。
日常的に声を出すことが多い方に発症し、お子さまも含めた幅広い年齢層にみられ、女性に多い傾向があります。歌手にみられることも多いです。声帯ポリープなどの病気と同様、声がれが生じます。
声の酷使が原因で発症する病気であるため、発声を控えてのどの安静を保つことで症状の改善が期待できます。保存的な治療をおこなっても長期に症状が改善しない場合は手術による治療を検討します。
ポリープ様声帯とは声帯に液体が貯留することで声帯全体に浮腫と呼ばれる「むくみ」が生じることでおこる疾患です。喫煙が大きく関係し、声が低くなります。むくみがひどくなると呼吸苦の原因にもなります。
むくみが生じた声帯は正常に振動できず、嗄声と呼ばれる声が枯れた状態になります。
治療としては、禁煙が最も重要であり不可欠です。軽度であれば禁煙のみで治ることもあります。浮腫の改善目的に消炎薬の投与やステロイド剤の吸入治療も行います。保存的な治療方法で効果が不十分な場合は手術を検討します。
食べ物の味が分からなくなったり、鈍くなったりすることを味覚障害といいます。
特定の味が分かりにくい、何も食べていないのに変な味がするといった症状のこともあります。味覚障害の原因は様々ですが、多くの場合で血清中の亜鉛不足が関係していることが分かっています。
亜鉛不足の原因は、多い順に特発性(原因不明)、薬剤、感冒、全身疾患といわれています。鉄欠乏性貧血による舌炎や口内炎、虫歯などに伴う舌炎も味覚障害の原因となります。味覚障害の程度は電気刺激や様々な種類や濃度の味の溶液を用いて調べます。また、血液検査で貧血の有無を調べたり、血清中の亜鉛の量を測定したりします。
睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる疾患のことで、肥満や顎が小さいことなどが関与して、のどの空気の通り道が塞がることが主な原因です。お子さまの場合は口蓋扁桃やアデノイドが肥大しているために睡眠時の無呼吸症状が出現します。
診断には睡眠検査を行い、多くはのどが塞がって起こる閉塞型の睡眠時無呼吸です。成人の場合、いびきをかく人では1時間に5回以上の睡眠時無呼吸があり、日中に強い眠気や集中力低下などが認められると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
お子さまの場合、睡眠時の無呼吸は成長や発達に影響を与えることがあるため早めの治療が必要です。
主な治療として、CPAPという治療器械を用いる方法や、マウスピースを夜間装着する方法、口蓋扁桃を摘出する手術などがあります。