こどもの発音|いわはしクリニック|野江内代駅より徒歩3分の耳鼻科・小児科

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こどもの発音

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話しことば(発音)の発達

話しことば(発音)の発達

生まれたばかりの子どもはまだ言葉を理解することも、話すこともできません。人とかかわることで物と言葉を結び付けながら少しずつ言葉を覚えていきます。また、大人の話し言葉を繰り返し真似することで、少しずつ発音も身につけていきます。

成長に伴い唇・舌・歯などの“話しことばに関わる器官”が発達し、意識しなくても柔軟に動かせるようになると大人と同じような発音ができるようになります。

話しことば(発音)の発達には、ある程度決まった順番があります。

発音(構音)の発達の順番

4歳代まで:母音(ア・イ・ウ・エ・オ)、パ行、バ行、マ行、ヤ行、タ行(ツ以外)、ダ行(ヅ以外)、カ行、ガ行、ワ行、ナ行、ハ行
5歳代以降:サ行、ザ行、ラ行、ツ、ヅ

こどもの話しことば(発音)が気になる

こどもの話し方が気になる場合や、聞き取りにくい音がある場合には、次のような特徴がみられることがあります。

  • とうもろこし→「とうもころし」のように、音が入れ替わる
  • さかな→「あかな」のように、子音が抜けてしまう
  • カ行がタ行、ガ行がダ行に近い音になる
  • サ行がタ行やシャ行・チャ行に近い音になる
  • 特定の音を話すときに、口を横にひきながら話す
  • 音が鼻から抜けるような話し方になる
  • 喉に力を入れすぎてしまい、詰まらせたような話し方になる
  • 日本語で表すことが難しい音で話す(音がひずんでいる)

このような発音の誤りが起こる原因はいくつか考えられます。

ひとつは、発達の途中である場合です。発音には習得の順番があるため、2歳頃ではまだうまく言えない音が多くみられます。この場合は、成長とともに自然に正しい発音ができるようになっていくことが多いです。

もうひとつは、誤った発音のしかたがそのまま定着している場合です。小学校入学前や入学後、大人になってからでも、「特定の音がどうしても言えない」という相談で来られる方は少なくありません。成長しても誤った発音のしかたが続いている場合には、正しい発音を身につけるための練習(リハビリ)が必要になります。

言語聴覚士のイラスト

話しことば(発音)と「聞こえ」の関係

「うまく言えない言葉がある」と相談に来られる方の中には、検査で難聴が見つかる場合があります。こどもは、周囲の人の言葉を聞いて真似をしながら言葉・発音を身につけていくため、言葉・発音の発達には「聞こえ」がとても大切です。耳が聞こえにくい状態だと、音が違って聞こえてしまうことがあり、その結果正しい発音が難しくなります。

当院では、発音の相談で来られた方には聴力検査を実施しています。気になる方は診察の際にお声がけください。

聴力検査のイラスト(学校の健康診断)

構音障害とは

何らかの原因があって、うまく言葉を発することができない状態のことをいいます。
大きく「形に問題がある場合」「運動に問題がある場合」「何も問題がない場合」の3つにわけられます。

形に問題がある場合

生まれつき、または病気やけがの影響で、発音に関わる器官の“形”が変化していることで、うまく言葉を発することができない状態を指します。医学的には 「器質性構音障害」 と呼ばれています。生まれたときから口の天井部分が開いている“口蓋裂”や、舌がんの手術によって舌の一部がなくなり動かしにくくなる場合などが、これにあたります。

運動に問題がある場合

発音に関わる器官をコントロールしている神経に異常が起こり、舌や口を思い通りに動かせなくなることで、うまく言葉を発することができない状態を指します。医学的には「運動障害性構音障害」「ディサースリア」などと呼ばれています。脳卒中やパーキンソン病などの病気がきっかけでうまく話せない場合がこれにあたります。

何も問題がない場合

発音に関わる器官の形や運動に問題がないのに、うまく言葉を発することができない状態です。医学的には「機能性構音障害」と呼ばれています。発音の相談に来られた場合、まずは診察で形や運動に問題がないかを確認します。どちらも問題がないと判断された場合に、「機能性構音障害」と診断されます。

機能性構音障害とは

例えば、以下のような発音の誤りが起こります。これらの中には、発達の途中で起こるものも含まれています。

置換

「さかな」→「たかな」など、発音する際に他の音に置き換わってしまう状態です。この場合は、/sakana/→/takana/になっているため、sがtに置き換わっています。

省略

「さかな」→「あかな」など、発音する際に音が省かれてしまう状態です。この場合は、/sakana/→/akana/になっているため、sが省かれています。

歪み

特定の音を話す際に、日本語では表すことが難しい音になってしまう状態です。

異常構音

通常とは異なる方法で発音している状態です。これは成長とともに改善される誤りではないため、大人になっても言えない・言いにくい音として残りやすいことが特徴です。改善には、長期的なリハビリテーションが必要になることがあります。

代表的なものに、以下のようなものがあります。

口蓋化構音

日本語には、舌先を使って出す音と舌の奥を使って出す音があります。タ行・ダ行などの舌先を使う音が、カ行・ガ行など舌の奥を使う音に変わるといった誤りは、口蓋化構音でみられることが多いです。

側音化構音

通常、日本語を話す際は、多くの音で口の中心から息を出しています。しかし、口の中心以外から息が出てしまっていたり、片方の唇を横にひきながら話す様子が見られたりする場合など、息の流れが一方に偏っている場合は側音化構音が疑われることがあります。

鼻咽腔構音

日本語の音には一部、口からではなく鼻からも息が漏れる音が存在します。例えばマ行、ナ行などです。一方で、鼻から息が漏れないはずの音で鼻から漏れてしまっている場合、鼻咽腔構音が疑われることがあります。

気を付けるポイント

お子さまの話しことば(発音)に関する相談のうち、多いのが「こどもの発音が違う場合は、その都度指摘や言い直しをさせたほうがいいのか」といった質問です。

話しことば(発音)が気になっている場合、つい注意をしたくなる気持ちはとてもよくわかります。

しかし小学校入学前~入学後のお子さまにとって、今はいろんな言葉を覚えることや、人とコミュニケーションをとることがとても重要な時期です。今日の楽しかった出来事や思ったこと・発見したことを伝えたいのに、その都度注意をされてしまうと、話すことが嫌になるお子さまもいるかもしれません。

話しことば(発音)の発達には、なによりも“たくさん話すこと”がとても大切です。まずはお子さまの「話したい!」「伝えたい!」という気持ちを大事にしてあげてくださいね。

会話をする親子のイラスト(お母さんと娘)

話しことば(発音)の発達のために、ご自宅でできること

大人と同じように話せるようになるためには、唇・舌・歯などの“話し言葉に関わる器官”が発達し、意識せずに動かせるようになることが大切です。そのため、まだ発達の途中である1~3歳のお子さまには、話し言葉(発音)の練習はできません。

ですが、幼いうちから話し言葉(発音)のために、ご自宅でできることはあります。それは“ご飯を食べること”です。

話しことば(発音)と「食事」の関係

ご飯を食べているときの口の動きを確認してみましょう。まず、食べ物を口の中に入れたら『唇』を閉じ、そして『歯』で噛みます。その際、上手に噛めるように頬や『舌』で食べ物を広げていきます。しっかり噛めたら、『舌』でかき集めてから、『舌』でのどに食べ物を送り込んでいきます。

このように、ご飯を食べるときには『唇』『歯』『舌』がとても重要な働きをしています。

次に、言葉を話すときの口の動きを確認してみましょう。例えば「ま」や「ぱ」を言うときには、上下の『唇』を動かしています。「た」と言うときには『舌』の先を上の『歯』の後ろに当てています。そのため、舌先が上の歯に当てられないように口を大きく開けてしまうと、「た」と言うことは難しくなります。

このように、言葉を話すときにも『唇』『歯』『舌』がとても重要な働きをしていることがわかります。

話し言葉と食事は、どちらも『唇』『歯』『舌』を使うことが大切です。そのため、口を閉じてよく噛んで食べることは、発音の発達にとてもいい影響を与えます。

赤ちゃんに離乳食を食べさせているお母さんのイラスト

話しことば(発音)に関わるご飯の食べ方

「うまく言えない言葉がある」と相談に来られた際に、保護者の方にお子さまの食事についてお聞きすると、食べるときに口を開けたまま食べている・柔らかいものばかり食べる・よく噛まずに食べている等と話される保護者の方が多いです。お子さまの話し言葉(発音)が気になる場合は、一度お子さまの食べる様子を見てみましょう。もし口を開けたまま食べていたりよく噛まずに食べているようであれば、声掛けをしたり、大人が見本を見せたりしてみてくださいね。

また、以下のような舌の動きの練習になる動作を、ご自宅でやってみるのもおすすめです。

口のまわりについたソースを舌で舐める・蓋についたヨーグルトやソフトクリーム、棒つきのキャンディに舌を伸ばして舐める

お子さまの様子をみて、難しそうであれば無理には行わないようにしましょう。

棒付きキャンディを食べる子供のイラスト(男の子)

口を使った遊び

食事以外にも、日常的に口や舌の運動をすることは可能です。少し大きくなってきたらできるようになる、口を使った遊びをいくつかご紹介します。

ラッパ

吹いても吸っても音が鳴るようなものであれば、吸う感覚と吹く感覚を楽しくつかむことができます。

シャボン玉

息の吹き方を変えながら、いろんなシャボン玉を作って遊んでみましょう。

シャボン玉のイラスト「シャボン玉を吹く女の子」

ティッシュ飛ばし

息を吹いて、どこまでティッシュペーパーを遠くに飛ばせるかチャレンジしましょう。

ストローぶくぶく

コップに水を入れてストローで吹くと、泡がぶくぶくできてきます。

ふきもどし

息をたくさん吹いて最後まで伸ばせるか、遊んでみましょう。

吹き戻しのイラスト

くちじゃんけん

グーチョキパーの形を決めて、一緒に遊びましょう。

お子さまが楽しめるものがあれば、無理のない範囲でぜひ一緒に遊んでみてくださいね。

言語聴覚療法(リハビリ)をご希望の方へ

まずは1階耳鼻咽喉科を受診し、診察の際に医師にご相談ください。医師の診察と言語聴覚士による評価により、発音の問題に焦点を絞って練習することが適切と判断された場合に言語聴覚療法(リハビリ)を開始します。症状によっては言語聴覚療法(リハビリ)の対象とならない場合がありますのでご了承ください。

当院の言語聴覚療法(リハビリ)について

  • 保険診療で行っています。子ども医療証の適応です。受診の際はマイナ保険証、医療証をご持参ください。
  • 耳鼻咽喉科の診察時間内に行っています。平日午後と土曜日は予約が取りにくくなっています。ご了承ください。
  • 言語聴覚士が在籍している施設へ通所中の方は、まずはそちらでご相談ください。
  • 他の施設で言語聴覚療法(発達やコミュニケーション面の支援を含む)を受けられている方は、並行して当院で言語聴覚療法をうけることはできません(相談・評価は可能です)。
  • ことばの発達(ことばの遅れなど)に関する相談については、当院小児科の発達外来でご相談ください。

予約料について

1100円となっております。

予約料については、近畿厚生局により運営上適正であると認可を受けて実施しております。

ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご了承ください。

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