小児アレルギー|いわはしクリニック|野江内代駅より徒歩3分の耳鼻科・小児科

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小児アレルギー

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小児アレルギー外来

小児アレルギー外来

当院ではアレルギー検査やアレルギー疾患について対応しています。
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・気管支喘息・アレルギー性鼻炎など)は一旦発症すると長期間の対応が必要となる場合があります。予防方法や原因対策、適切な診断・治療によって、より良い状態を保てるように、それぞれのお子様に合った対応を提案させていただきますのでお気軽にご相談ください。

小児のアレルギー

小児期に発症するアレルギーは、赤ちゃんの乳児湿疹にはじまり、離乳食を開始するころからは食物アレルギーやアトピー性皮膚炎がみられるようになります。生後6か月ころではゼーゼー・ヒューヒューを反復する喘鳴(ぜいめい)や、2歳前後の幼児期には気管支喘息が出現することもあります。小学校入学のころからは、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などが増加してきます。アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)を持ったお子様に、これらのアレルギーが次々と連鎖して現れる現象をアレルギー・マーチと呼びますが、この場合、一連の流れとしての診療が大切になります。
アレルギー疾患は原因物質となるアレルゲンを正確に特定することが第一歩です。それぞれの疾患を、検査や臨床症状に基づいて正しく診断し、適切なケアと治療を行うことで、現在かかっている疾患の悪化を抑えることができ、さらには新たなアレルギーの発症予防にもつながります。

治療対象となる主なアレルギー疾患

  • 食物アレルギー
  • アトピー性皮膚炎
  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎・結膜炎
  • 花粉症
  • 蕁麻疹(じんましん)
  • 湿疹 など

食物アレルギー

食物によってアレルギー反応が引き起こされる場合を食物アレルギーと呼びます。最も多いのは即時型であり、摂食後2時間以内に症状が現れます。症状としては、皮膚症状が多く、発赤・発疹・蕁麻疹などがあります。その他に呼吸器症状(咳、喘鳴など)、消化器症状(嘔吐・腹痛・下痢など)、循環器症状(血圧低下)、神経症状(頭痛、活気の低下)があります。皮膚症状については、アレルギーかどうかの判断が難しい場合もあります。
原因となる食べ物は年齢や、国、そして個人によって異なります。日本では鶏卵、牛乳、小麦が全体の70%を占め、特に鶏卵は40%近くを占めます。これらは乳幼児期に多く、学童期以降になると果物、ナッツ類(ピーナッツ・クルミ等)、甲殻類(エビ・カニ)、ソバなどが主な原因となります。

診断

食べた直後に明らかな症状(じんましんやアナフィラキシーを起こしたなど)がある場合は原因がすぐにわかりますが、中にはゆっくり現れる遅延型の反応であったり、血液検査で陰性であったりすることがあり、すぐに原因を特定できないこともあります。
診断では血液検査などがアレルギーの原因物質の特定に役立ちますが、血液検査が陽性になったからといって、必ずしも食事制限が必要なほどの症状が出るとは限りません。逆に陰性でも症状が出る場合もあります。
正しく診断されないと除去する必要のないものを除去し続けることとなり、食生活が不自由になるだけでなく、将来的にも食物アレルギーのリスクを高めてしまうことになりますので、きちんとした診断を受けることが重要です。

治療

食物アレルギーの治療は、アレルゲン診断を受け、最小限の食物除去を行い、安全を確保しながら必要な栄養を摂取していくことが基本となります。食物除去でなく、安全な量を少しずつ食べながら除去を解除していく経口免疫療法の研究も進められています。
また、食物アレルギーの治療ではスキンケアはとても重要になります。バリア機能が良好な皮膚の状態を保つために、正しい軟膏の塗り方や皮膚の洗い方などを指導します。

アトピー性皮膚炎

かゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患で、患者の多くはアトピー素因を持ちますが、特にアレルギーがなくても長期に皮膚炎を繰り返す場合はアトピー性皮膚炎といわれます。皮膚の保湿因子が先天的または後天的に減少することによってバリア機能(外界の刺激から体の内部を保護する機能)が低下し、唾液や汗、摩擦、日焼けなどによる刺激で皮膚炎が生じると考えられています。その皮膚はかゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。特に乳児の皮膚はバリア機能が未熟なため、汗・唾液・衣服との摩擦など日常生活での軽微な刺激で皮膚炎が起こりやすいです。
近年、食べ物との密接な関連性があることもわかってきました。とくに生後6か月未満では、かゆみのある湿疹が強いほど食物アレルギーの発症率が高いことがわかっています。

診断

血液検査などによって、原因となっている物質を調べます。食物アレルギーを合併していることもありますので、乳幼児の場合、母乳栄養の期間や離乳食の状況を確認させていただくことがあります。

治療

悪化要因の対策、スキンケア、薬物療法の3つが治療の基本となります。

悪化要因の対策

悪化要因に対して対策できれば劇的に症状が改善することがあります。意外と気づいていないものが要因であることもあり、特定が難しいこともありますが一緒に対策を検討していきましょう。

スキンケア

スキンケアは非常に大切な治療になります。皮膚を清潔に保つとともに皮膚の乾燥を防ぐことによって、皮膚を健康な状態に保ちます。毎日のお風呂やシャワーで、泡立てた石鹸でやわらかく全身を洗い、すすぎをしっかり行いましょう。起床時とお風呂上りに1日2回必ず保湿剤を塗るようにします。乾燥しやすい方は、もっと頻繁に塗る必要があります。

薬物療法

ガイドラインに準じてステロイド軟膏やタクロリムス軟膏、デルゴシチニブ軟膏を使用する標準治療を行います。肌がすべすべのいい状態をキープするのが望ましいため、最近では湿疹が出現しないようにステロイド等の抗炎症剤を使用するプロアクティブ療法(症状が良くなったあとも計画的に抗炎症薬を塗って悪化を防ぐ治療法)が推奨されています。適切な治療によってよい状態の皮膚が維持できれば、次第に薬物療法が不要になることも期待できますので、よりよい対応を一緒に考えていきましょう。

気管支喘息

空気の通り道である気管支が急に狭くなってしまい、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった喘鳴(ぜんめい)が出現して呼吸が苦しくなる状態を繰り返す病気です。発作的に喘鳴や呼吸困難、夜間の咳などが起こった状態を喘息発作といい、明け方や風邪をひいたときなどに出やすくなります。
乳児期の風邪の代表的な原因ウイルスは、ライノウイルスやRSウイルスで、これらの感染を繰り返すと喘息を発症しやすくなります。そのため、ハンドソープを用いた流水手洗いと換気によってウイルス感染を予防することが重要になります。小児では、1歳前後から繰り返す咳やゼーゼーする呼吸、不機嫌、抱っこしないと眠れないなどの症状から始まります。喘息は小学生で7~10%、中学生で5~10%の罹患率と考えられています。
喘息をきちんと治すためには、早い時期に正しい診断に基づいた治療を始めることが大切です。適切な治療を行うことで症状の大きな改善が期待できますので早めの受診をおすすめします。

診断

2歳くらいのお子様は気管や気管支が細く、風邪が引き金となって喘息のような「ゼーゼー」が出ることもよくあり、風邪と喘息発作の区別が難しいです。幼児期の喘息はゼーゼーといった喘鳴のエピソードを複数回(3回以上)繰り返すことが多いです。診断では聴診器での診察が最も大切ですが、血液検査、呼吸機能検査、呼気NO検査なども行います。気管支拡張薬によって症状が改善し、喘息治療薬の効果が認められる5歳以下のお子様を乳幼児喘息と診断します。なお、小児の喘息は、6歳までに約80%が発症するといわれています。

治療

気管支喘息のガイドラインに基づいて重症度を判定し、適切な治療を行います。治療の柱は、薬物療法、環境整備(悪化因子への対策)、体力づくりです。
薬物療法は発作を抑える治療と、発作を予防する治療に分けられます。喘息発作が起きている時は、抗アレルギー薬、気管支拡張薬、吸入ステロイドなどを用いて症状を緩和します。しかし、気管支喘息は気管が過敏になっている状態であるため、これだけでは不十分です。無症状であっても普段から喘息予防のために長期管理薬が必要です。これによって気管を過敏になりにくくし、ひどくならないようにしていきます。
治療に吸入ステロイドを用いる場合は吸入方法や吸入補助具(スペーサー)の使い方について指導します。
喘息の悪化要因として、アレルゲン(ダニやハウスダスト、ペットなど)、天候や大気汚染、受動喫煙、激しい運動、ストレスなどがあります。ダニやスギ花粉が悪化要因として考えられる場合は舌下免疫療法という治療が有効です。

成人したのちに喘息がよくなるかどうかは、学童期までの喘息コントロール状態に依存するという報告があります。気道の炎症をしっかり抑えて発作がない状態を続けていくことがとても大事でになります。

アレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症)

アレルギー性鼻炎・結膜炎の主な原因は、ダニ、ハウスダスト、花粉(スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ハンノキなど)、ペット類(ネコやイヌの抜け毛やフケ)などです。透明な鼻水が止まらない、鼻がつまる、鼻血をよく出す、くしゃみが多いなどの症状があればアレルギー性鼻炎が疑われます。近年は発症が低年齢化しており、2歳前からでも花粉症やダニアレルギーは認められることがあるので幼児期からの適切な対応が望まれます。また、アレルギー性鼻炎では頭痛や倦怠感、集中力の低下などの生活の質(QOL)の低下を引き起こすことが指摘されています。喘息を合併するお子様では鼻炎の治療が喘息症状の改善につながるため、適切な治療を行うことが大切です。

診断

問診のうえ、血液検査などで原因アレルゲンを特定します。

治療

治療は薬物療法とアレルゲンを除去・回避するセルフケアが大切です。
薬物療法には、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、鼻噴霧用ステロイド薬などがあります。抗ヒスタミン薬は主にくしゃみや鼻水に効果があり、眠気などの副作用が少ないものを用います。ロイコトリエン拮抗薬は主に鼻づまりに効果があり、ステロイド点鼻薬は直接鼻に噴霧することで鼻粘膜の炎症を抑えます。また、漢方薬を抗アレルギー薬と併用することも可能です。
原因アレルゲンがダニやスギ花粉の場合には舌下免疫療法が有効です。舌下免疫療法はスギ花粉症またはダニアレルギーと確定診断された患者様が治療を受けることができます。少量の治療薬から服用をはじめ、毎日継続して服用します。3-5年治療を継続することが推奨されており、その場合は7-8年効果が持続するといわれています。治療効果は治療開始後数か月から認められます。

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